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「宮沢賢治とイジメ」 2006.12.6
宮沢賢治の本がほとんど絶版になっている。
文庫本で簡単に手に入るものだと思っていたら、絶版が目立つ。
手元には紙が黄色くなったものが二冊あるだけ。
イジメについて意見を求められて、
ふと「猫の事務所」のことを思い出した。
探してみると、本棚にない。
どこで読んだのか?
何十年も前のことで、すでに処分していたのか。

話は猫の事務所のカマ猫が主人公。
竈にもぐりこんで眠るおかげで、煤けていて、汚くって、
他の三匹の猫からいじめられる。
仕事を取りあげられ、無視され、ついにメソメソと泣き出す。
そんな話だった。
これは学級のイジメと同じ構図。
それを見ていたライオンが、怒って、事務所を解散させてしまう。
実に爽快な話だ。

宮沢賢治もこんな話を書いたのだから、
そのころからイジメはあったわけだ。
ただし、それを見て、学校そのものを葬るような「ライオン」は、現実には今も昔もいない。
学校をすぐさま解散したところで、じつはこの資本主義、膨大な教育関係の失業者が出る以外は、本質的に倒れることはない。
近代の学校教育は資本主義によって生みだされたが、そのシステム自体が、もう現代の社会にフィットしなくなっているのだから。
おそらくヨーロッパで、新しい学校制度が生みだされるだろう。
それがいいものかどうかは別として、日本も一定のタイムラグで踏襲することになる。
それを関係者は認めるわけにもいかず、あれこれ教育の意義を再考したり、その改良を試みている、というかそんな気分を装っている。
現実にライオンはいないというのが悲劇だ。
やめるなら早いほうがいい。


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